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時の過ぎゆくままに [臨書/多宝塔碑]

tahotohi.jpg

ここのところ、寒い日が続いていますね^^;
寒いのが苦手なわたし。
ピンとした冬の空気は好きだけど
寒いのはどうも…><
こたつに丸くなっていた〜い(笑)
あんなに暑い暑いといっていた季節はどこへやら。
今となっては暑さが恋しい、人間って身勝手です^^;

ここずっと実家の整理をしていて
そりゃ〜もう、ありとあらゆる物を捨てる事となりました。
部屋中をひっくり返して、
全てをどうにかしなければならないのですから本当に一苦労。
引っ越すのとは訳が違います。
全てが父との思い出に繋がるものばかり。
けれど私の家に持って来られるものは限られているし
現実として、豪邸に住んでない限りほとんど処分する道を選ぶしかありません。
その処分に、ここずうっと罪悪感みたいなものを感じています。
本当はそっくりそのまま残しておきたい。
実家がなくなってしまうなんて…考えただけで切なくなります。
私の帰る所はもうないのだなぁ…と。
そんなこと、考えてもみなかった。
こんなに早くそんな時が来るなんて。

でも、前に進むしかないので、
えいっと自分を奮い立たせてなんとかやっています。
全てが過ぎ去れば、きっとまた別の角度で今を見る事が出来るだろう。

********

最近、新しく硯を購入しました。
実は、生前に父が「今より良い硯を買いなさい」と言ってくれていました。
多分、本当は何年か先の師範試験が受かったら
お祝いで買ってくれるつもりでいたんだと思う。
それまで自分が間に合わないだろうと知って、
亡くなる何ヶ月か前に私に言ってくれたのでした。
でも、現実には私もそれどころではなかったし、
お金を預かったままになっていて…
何度も硯は買ったのか?と聞かれたけれど
結局、父の存命中に買う事は出来ませんでした。
それで、父が亡くなって少し落ち着いてから
一番最初にした自分の大きな買い物は硯でした(笑)
父にちゃんと知らせたかった。
父の形見代わりにこれからずっと使っていくよってね。
それがこれです↓

suzuri.jpg

端渓の坑仔巌です。
老坑が欲しかったけれど、更にお高いので^^;汗
お店の方の話で坑仔巌でも充分に良い硯だという事でしたのでこれにしました。
多分、父が言ってくれなければ当分先まで手に入れなかった物です^^;
硯は一番後回しになってしまいますからねぇ…
今までは800円のやっすい硯を使ってましたから^^;
随分の出世であります(笑)あは
サイズも縦約20cmと大きめのもの。
木箱を閉めると男の人のお弁当箱みたいです(笑)
お店の方曰く、硯は使い続けてその良さがわかるのだそう。
これで淡墨作品のいい墨色が出てくれたらいいのですが^^
大事に使っていきます!

※写真(上)は今取り組んでいる顔真卿の多宝塔碑より。

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コメント 8

つるぎ

実家が無くなってしまうのですか?
お母さんはどこに行かれるのかな~と少々疑問に思いました。
確かに思い出の品は全て保存しておきたいですよね、部屋の写真とかだけでも撮って保存しておけば良いと思いますが・・・

硯か~良いものは本当に良い墨が摩れるみたいですが、良い硯を使ったことが無いのでなんとも解らない世界です。
僕も普通に売られている硯をずっと使っています。
端渓の硯って高いですよね~有名ですからね、良いものを使うと良い字が書けますよきっと、だってそれだけ気が引き締まりますからね(笑ww

顔真卿の書お上手ですね。顔さんの字は肉厚で人間味があって良いですよね~現代のお習字の手本とか九成宮ではなくて顔さんのにすればいいのにと思ってしまう僕です。
顔さんの方が子供らしい字を書くときには丁度良いんですよね。
なにげに子供の手本を書かなければならない時は顔法で書きます。
by つるぎ (2011-12-11 08:36) 

海月シド

★つるぎさん
母は父の病気がわかって以来、私のうちで一緒に暮らしています。
実家はそのままにして、父も母もうちで面倒をみていました。
父が亡くなって、母は一人で生活するのは難しい状況なので^^;
そのまま私のうちで暮らしてもらうことになりました。
だから今は実家は誰も住んでない状態なのです。
借り家なので毎月家賃も発生しますし^^;
そのままにしておくわけにはいかない…というわけです。
部屋の写真ね〜そう思ったんだけれど、思った時にはすでに
大部分を処分してしまった後だったので;;
ちょっとそれだけは心残りではあります。

硯は元々今使っているものより大きいやつが欲しいとは思っていて。
でも普通に安いのを買うつもりでいました(笑)
父が言ってくれなければ、端渓などずっと先まで手に入らなかったでしょう^^;
良い墨が磨れるとかもそうですが、何よりそういうのを一つ持っていたら
気持ちが違うだろうと父も言ってました。
実際、ちょっと嬉しいです〜♪^^
一生ものと考えれば安いものですしね。

顔さんは結構ニガテ意識があったのですが、
慣れてきたら楷書に関しては結構好きになりました。
確かに温かみのある字ですよね。
子供の今のお手本って九成宮なの??
絶対顔さんの方がいいと思うけどなぁ…。
子供の事はよくわかりませんが、小さいうちは元気な字じゃないとね^^
九成宮はちょっと大人すぎる感じがしてしまうけれど。
顔法は身につけたら結構いいかも、と感じているこの頃です。
by 海月シド (2011-12-11 22:01) 

伀

海月さん、早速、有言実行の臨書UP!
拝見できて、わくわくしています。
小生の教室での古典臨書は、これまでは欧陽詢「皇甫誕碑」でしたが、
新年からは、なんとなんと、「多宝塔碑」なんですよ!
偶然とはいえ、私にとっては、素晴らしい天の配剤・・
海月さんと同時進行で学べるなんてね・・・幸せです(笑)
もっとも、小生の場合は、半紙二文字をマイペースで書くだけですが・・
時には、お手本にさせていただいてもよろしいですか??

教室で使用している「機関紙」に提出される作品の選評で、
”線質”に触れて、
「重厚な線質」「澄んだ穏やかな線質」「優しい線質」
「温かみのある線質」「鋭い線質」「重量感のある線質」
力強い線質」「トロリと甘みのある味わいのある線質」
「時代にマッチした線質」などなど、同じ選者が使い分けて評しています。
しかし、
なんど他と見比べても、どこがどう違うのか、
小生にはとても判断不能なので、
助手の方に、そもそも線質とは何ぞやと尋ねて、
困惑させてしまいました(実は内緒ですが、この助手さんは、
指導が重箱の隅をつつくよう細かすぎて・・
私、苦手なので、いたずらっ子みたいに時々変な質問をして
こまらせているんですよ。えへへ・・
助手曰く、小生の線質は、まだコメントする段階ではないと・・・無念じゃ
つまりは、選者になれるほど精進し上達すれば、
自ずから理解できるようになるらしいですね・・
こちらから頭を下げて、打ち解けました・・目出度し(笑)

またまた偶然でしょうか、
私の、これまでの硯は学童習字セットにあるような安価なものですが、
先日、新しいものを買い求めました。
 このたびの大震災で、国産硯の名産地である、宮城県雄勝町が
壊滅的な被害に遭われました。
ようやく先月ぐらいから硯工場が再開され、職人たちも伝統工芸を
守り抜く覚悟でいると、聞きました。
そこで、同県人として、支援の気持ちから、雄勝硯のちょっぴり
高価なものを買い求めました。
手のひら収まる小さなものなので、
もっぱら写経墨を摩するために使っています。

お父上の遺品などの整理には、なかなか辛い気持ちになるでしょうね。
私の親類知人の中にも、大震災で、家を流されたり、全壊したりして、
すべてを失い、さらに家族を亡くした方もおります。
 このことを知ったとき、ようやく母の遺品を最少に留め、すっきり処分する気になりました。
 ついでに、自分の物も見直して、できるだけ身軽になろう、
少欲知足になろうという思いが強くなりました。
ぼちぼち実行に移しています。



by (2011-12-11 22:37) 

悠人

硯…お父様の形見になりましたね。

書の道を邁進されること…きっとお父様も願っておいでのことでしょう。

また素晴らしい字…いっぱい見せてくださいね。
by 悠人 (2011-12-12 10:16) 

つるぎ

九成宮醴泉銘は日本では昭和時代からこの書風が小中学校の教科書の手本に取り入れられると何かで読みました。
なので学校の書写の手本とかは文部科学省が依頼した書道家が九成宮醴泉銘風に現代の言葉を書いているとどこかで読んだ記憶があります。

正直小学生の書写の教科書の字は大人っぽくて僕はどうかな~と思います。
やはり肉太く元気な書を書いて欲しいので顔真卿の楷書を現代風に書いた手本を使ったほうが良いのではないのかな~と常ずね考えています。
小中学生の書写は顔真卿で高校生以上の書道の授業は欧陽詢にすれば良いのにな~と勝手ながら甥っ子の教科書を見ながら思っていました。

実は言うと筆耕の仕事の時も顔法を多用しています。
看板とかやはり顔法の方が迫力があるし力強いし見た目的にも良いと判断してそうしているのですが、家元さんもこの字を気に入ってくれて毎年依頼してくれているんだな~と思うと顔法を好き好んで書いていて良かったなと思っています。
by つるぎ (2011-12-12 11:09) 

海月シド

★伀さん
そうでしたか〜今度多宝塔碑を書かれるんですね^^
偶然とはいえ、何だか私まで益々この先の全臨2ラウンド目が
楽しみになってきました(笑)
伀さんの字が拝見出来ないのがいささか残念ではありますが…
一緒に切磋琢磨しながら頑張っていきましょう!
…あ、お手本は私のなどではなく、法帖にて^^;あは

それにしても、お教室の助手さんとのやりとり、
なかなか興味深く読ませていただきました^^
そして何より、線質についてそれだけの言葉で説明しわける選者の方に
すごい!と拍手を送りたい気持ちです。
きっと多分、伀 さんのおっしゃるように
その線質の違いがそのうちわかるようになるのでしょう^^
それには練習もさることながら、目利きも必要なんでしょうね。
良い作品を何度となく見て触れること…私は最近それがなかなか出来ずにおりますが^^;
色んな事の同時進行で、レベルが上がっていくものだと感じます。

それから、硯の件も…なんと偶然が重なったことでしょう!(笑)
雄勝硯の壊滅的な被害は聞き及んでおりました。
もうしばらくは手に入らないなんて噂も聞いたり…
でも、着実に復興に向けて動き出しているのですね。
そんな中での伀 さんのお気持ち…とても感動しました。
使い心地はいかがですか?
きっと色んな方の想いが込められた硯…素晴らしい作品の手助けになってくれる事と思います^^
お互いに想いのこもった硯を前に、精進していきましょうね^^

私の場合は事情が事情だけに遺品をそのままに考えている時間もなく
後になってあれはとっておけば良かった…なんて思うものもあるかもしれません^^;
けれど、色んなものをそのままに生きてはいけませんからね…
前を向いて歩いていくために必要な処分もあるかと思います。
私もそう言い聞かせて日々色んなものを処分しています…
…でも、伀 さんのおっしゃるように自分も身軽に…って私も考えさせられました。
自分の周りもなんと物が多いことか^^;
…といっても、最近の書に関係する事は致し方ないのですが…
そのためにほかのものを処分しなければと考えているこの頃です^^;あは
by 海月シド (2011-12-12 21:52) 

海月シド

★悠人さん
いつもありがとうございます^^

父の知らない父の形見になってしまいました^^;(笑)
でも、この硯を見る度に父が言ってくれたことを思い出す事が出来ます。
父ががっかりしないように頑張っていきたいです^^
by 海月シド (2011-12-12 21:57) 

海月シド

★つるぎさん
九成宮が教科書の字の基本となっているというのは聞いた事がありましたが
書写でもそうなんですね。
んー、私も小学生で九成宮はどうかと思いますけどねぇ^^;
何だか子供らしくない字になってしまいそう。
子供らしい字は子供時代にしか書けないのにね(笑)

筆耕の字も顔法なんですか!
それは意外でした〜キレイ系の字を使っているのかと(笑)
家元さんもきっととても気に入ってらっしゃるんでしょうね^^
…毎年増えるといいですよね〜。頑張れ家元!(笑)

by 海月シド (2011-12-12 22:01) 

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