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展覧会のお知らせ [書教室]

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3月ももうすぐ終わりですね…
桜の時期はあっという間ですが、今年はどうなんでしょう。
今年は自分もバタバタ余裕がなかったせいもあって
桜をちゃんと見てない気がします^^;
わざわざ見に行ったりしなくても、毎年あぁ、桜ってやっぱりいい♪って
思える瞬間があるんですけれど…
今年は未だその感覚がなくって。
ダメだなぁそんな余裕のないことでは^^;
寒暖差が激しいので、長持ちしてくれるといいんですけれど…

ところで、改めてなんですが
来週、いよいよ展覧会が始まります^^
気候も良くなって来ましたので、
銀ブラがてら、お立ち寄りいただけると嬉しいです♪
今回は所属の会の書道展なので、いかにも書展という感じの作品ばかりです。
インテリア書みたいな感じではないので、
難解と思われる方も多いかとは思いますが^^;
感じるままに見ていただければと。
迫力のある作品が並ぶと思いますので、
パワーを貰いに、是非お越しくださいませ^^
ちなみに、銀座でやる展覧会に私が出展する事は
当分ないかと思われます(ホントはもっと出したいけれど笑)
そういう意味では貴重な機会になるかと思います^^
私も何日か見に行く予定でおります。
バッタリお会いしたら、声をかけてくださいね^^

ご案内はこちらから♪

ちなみに、今回私が出した作品の内容について触れておきたいと思います。
内容を知っているか、そうでないかでは
見る気持ちも変わるのではないかと思いますので^^
今回書いたのは張若虚という人の漢詩で「春江花月の夜」です。
ちょっと長いんですが、詩の内容を書き留めておきますね。

春の揚子江にみなぎる潮は、はるか大海原へと連なって
鏡のように平らかである。
その大海原の上へ明月が、潮のさし来ると共に生まれ出た。
今宵は満月。大潮のときである。
月光は川波のままに流れて、千万里の彼方まで広がる。
この春の川のどこに、月光の輝かぬところがあるであろうか。
川の流れはうねうねと、花薫る野辺を巡っていき、
月光は花咲く林を照らして、すべては霰のように光る。
空中を飛ぶ霜は、この月明に紛れて飛ぶとも覚えず、
渚の白砂も月光の白さと重なって、定かには見分けられぬ。
川も空もただ一色に澄み切って、いささかの塵さえもない。
そして空中には冴え返る満月がただ一つ、かかっているのである。
この川のほとりで、初めて月を見たのは誰であったか。
川面を照らす月影は、いつの年に初めて人を照らしたのであろう。
人間の生活は、世代から世代へときわまる時もなく移りゆくが、
川面の月影は年ごとに、全く同じ姿を繰り返す。
いったい、月は誰を待っているのだろう。
見れば長江は、移りゆく人の世をよそに、
そしてまた万物の推移する姿そのままに
流れる水を絶えず送り去っている。

ひとひらの白雲が遙か彼方へと去りゆくのを見るにつけ、
私は青い楓の茂る入り江のほとりで耐え難い憂愁を抱く。
今宵、小舟を浮かべている旅人は誰であろうか。
明月に照らされたどこかの楼の上には、
旅だった人を慕う女性の嘆きがあるのではなかろうか。
あぁ、その楼の上には月光が煌めいている。
それは夫と別れた女性の、化粧をする鏡台を照らしているに違いない。
玉の扉から、簾の間から、差し込む月光のやるせなさに
女はそれを簾に捲き納めようとするが、光はやはり去らない。
夫の着物をうつ砧の上に、払えども払えども月影はまた忍び寄る。
今このとき、月を望んで遙かな人を慕っても、便りを聞く術もない。
どうか月の光の後を追い、共に流れて恋しいあなたを照らしたいものを。
だが別の雁の列が長く渡って、月の光も途絶える。
魚も龍も水底深く踊って、水面には波紋が広がるばかり。
ゆうべ私は、静かな淵のそばで花の散る夢をみた。
あぁ、春ももう半ばなのに、私はまだ家に帰れない。
川の水はゆく春を押し流し、流し尽くそうとしている。
そして川の淵に落ちかかる月も、西へと傾いた。
傾く月影は仄かに、海上に立ち上る霧の中へと隠れて行き、
北の方、碣石の山から瀟湘の辺りまで、無限の旅路が続いている。
この月影を踏みつつ家へと帰る旅人が、いったい何人あることだろう。
沈む月影は私の心を揺り動かしながら、川辺の木々いっぱいに満ち渡る。
満ち渡るのは月の光であるとともに、私の深い旅愁なのだ。


※写真は先日の準師範試験課題より。


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コメント 8

kobom

銀座でみる作品は、同じものでも練習の場でみたものとは別のように見えるのでしょうね .。.:*☆


また、詩の内容が今の時季に合ってなんだか素敵ですね。
昔の方が書いた詩が、現代人にも通用する感じです。
太古の頃から月は見ているのでしょうね、様々なことを。
by kobom (2013-03-30 22:46) 

悠人

書道展…ご盛会になりますように。

桜…今年は自分も眺めつつも、まだ、あぁ…今年も…って感じに達してないのです。


さまざまの事思ひ出す桜かな 芭蕉


この句を通して回想するのですが実感に至ってないようです。

なんとか時間作って伺いますね♪
by 悠人 (2013-03-31 00:57) 

海月シド

★kobomさん
kobomさんには、制作過程の一部を共に過ごして頂いたので
きっと、またその時とは違ったものに見えるのかな…^^
やっぱりキレイにして飾ってもらったものは
それだけで違いますからね〜(笑)

この時期に展覧会があることはわかってましたので
季節が合うものにしたくて、それもこの詩を選んだ一つの理由でした。
昔から、人が惹かれるものや情感といったものは同じなのだと
何だかちょっとホッとしたりもしますね(笑)

by 海月シド (2013-03-31 12:11) 

海月シド

★悠人さん
わぁ、見に来ていただけるのですか!嬉しいです;;
お忙しい事と思いますので、どうぞご無理ないようになさってくださいね。
気晴らしに銀ブラしていただけたら幸いです^^

悠人さんも、桜に関しては同じような感じだったのですね〜。
毎年どこかで「わぁぁぁっ」と思うような桜に出逢うものなんですが
今年は私もまだそんな気持ちになっていなくて…何故なんでしょうね^^;

芭蕉の句はまさにその通り!って句ですね。
日本人にとって、桜は特別な花…そう思います。
必ずしも思い出すのが楽しい思いばかりではないのが
桜の悩ましいところでもありますね^^

by 海月シド (2013-03-31 12:17) 

伀

海月さん、こんばんわ。
三月も今日が末日、小生、すっかり月末男?になってしまいました。

関東地方はもう葉桜のようですね。
こちらは、桜はまだ蕾で、先日、梅の開花が宣言されましたよ(笑)。
なんともちぐはぐな花便りです。
今日も、ちらほら小雪が舞いました。

桜の詩といえば、金子いすゞの「さくらの木」に
ジーンとこころが響いてきます。
先月は雪の詩を紹介したところ、海月さんがお持ちの、
金子いすゞのカレンダーに認められているとのこと。
きっと、「さくらの木」も記されていることでしょうね。

海月さん、準師範試験無事合格されたのでしょうか。
小生は、ようやく一級になり、いよいよ初段挑戦と思いきや、
一級の上に特級がありましたので、二回ほど課題に取り組みました。
どうやら合格し、4月から待望の・・すこし早すぎの感じですが・・
初段にランクインです(笑)

花の銀座で、晴れての展覧会とは、凄いことだと思います。
おめでとうございます。ご盛会を祈っています

素晴らしい漢詩を題材にしましたね、
人生とは深い旅愁に満ちた歩みなのでしょうか・・・
大作のUPが待ち遠しいです。

ところで、展覧会の開催はいつまでですか?
実は、小生、4月19、20日と上京の予定があります。
都合が付けば、立ち寄ってみたいのですが・・







by (2013-03-31 22:14) 

海月シド

★伀さん
本当に、今年はちぐはぐな天候が続きますね〜^^;
うちの近所ではまだ葉桜というほどではない感じです。
でももうじき散ってしまうのでしょう…桜の季節は短いですね;;
そちらではこれからが見頃!羨ましいです♪
是非梅も桜も満喫されてくださいね。

仰るとおり、3月のカレンダーは「さくらの木」でした^^
ちなみに明日4月からは「星とたんぽぽ」になります。
『見えぬけれどもあるんだよ…』です^^

準師範試験の結果は、まだ届かないのです〜^^;
多分、4月末くらいになるのではないかと。
ハラハラ、ドキドキものですが、まぁなるようになるさぁ〜で(笑)
伀さんは特級合格、おめでとうございます!
いよいよ段なのですね。4月という時期にはふさわしい、
改めてのスタートなのではないかと思います^^
今後も益々練習に励まれてくださいね♪

展覧会のことも…ありがとうございます^^
会期は短くて、4月2日〜7日までなのです。
上京の時と重なったらステキだったのに〜と残念ですけれど
遠方なのに立ち寄ろうと思ってくださったお気持ちだけでも
充分嬉しかったです。ありがとうございます^^
作品はいずれこちらにUPしますので、もうしばらくお待ちくださいね。


by 海月シド (2013-03-31 23:56) 

suiren

海月さん、おはようございます!
展覧会、今日からですね〜♪
雨は降っていますが...
心静かに、しっとりと書を堪能するにはよいかもしれませんね^^
私は後半のどちらかの日にお邪魔しようと思っています。

作品の詩の内容をありがとうございました!
静寂とそこに心を映すさざ波と...素敵な詩情を味合せていただきました。
今の季節はもちろん、月の描写は海月さんにぴったりですね^^
作品を拝見するのが更に楽しみになりました♪
by suiren (2013-04-02 07:49) 

海月シド

★suirenさん
こんにちは〜^^コメントありがとうです^^
今日はホント、冷たい雨の一日になっちゃいましたねん;;
季節が逆戻りで、身体がビックリしちゃってます。
展覧会、見に来ていただけるのですね〜♪嬉しいです;;
その日が暖かい日になってくれると良いのですが…

確かに、季節だけでなく、月の描写が美しい詩ですよね^^
何だかとても、その情景が目に浮かぶような気がして
この詩を初めて読んだ時、これを書きたい!と思いました^^
書の作品はほとんどが中国の漢詩なのですが
日本人でもわかる、人として共通の想いが描かれているような気がします。
作品自体は堂々とお見せ出来るようなものではありませんが^^;
他の作品など見応えあるかと思いますので、
楽しんでいただけたら幸いです〜^^
by 海月シド (2013-04-02 22:58) 

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