許されない恋のハードル

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【百人一首-63／左】
今はただ　思ひ絶えなむとばかりを
人づてならで言ふよしもがな
左京大夫道雅（さきょうだいふのみちまさ）

【本文訳】
今者多ゝ　お无悲多遍奈无と八可りを
人つて那ら天　言婦よし母可奈

【内容訳】
今となっては、ただあなたへの想いを諦めるという事だけを
人づてではなくあなたに直接伝える手だてがあって欲しいものだ。

【百人一首-64／右】
朝ぼらけ　宇治の川霧絶え絶えに
現れわたる　瀬々のあじろ木
権中納言定頼（ごんちゅうなごんさだより）

【本文訳】
朝奉ら遣　宇治の川きり多えゝゝに
あら者連渡る　世ゝ農あしろ木

【内容訳】
明け方、あたりが徐々に明るくなってくる頃、
宇治川に立ちこめていた霧が途切れ途切れになって、
点々と現れ始めてきたのが川瀬の網代木ですよ。


右の歌は情景が浮かぶ美しい歌です。
網代木というのは魚を捕るために竹や木を編んだ網代を支えている木のこと。
それが宇治川にずらっと並ぶ風景は、とても絵になっていた様です。
明け方にうっすらと霧の中から浮かび上がる情景、風情がありますね＾＾
左の歌は、許されない恋を断ち切られた想いを歌った歌。
昔は今よりも一層許されない恋のハードルは高かったのでしょうね＾＾；

人の想いは複雑で、許されないとわかっていても
自分ではどうしようもない時というのがあるものです。
大昔にも、そんな想いに悩んでいた人たちがたくさんいたのでしょうか＾＾
人と人とが出逢う事は、奇跡にも近い確率の出来事。
この地球上にイヤという程の人が存在していながら
自分が関われるのってほんのひと握り。
その関わりを大事にしたいと思う事が許されない時もあるんでしょうか。
男と女という事になると、話はもっと複雑化してしまいますが…＾＾；
恋愛感情と、人としてその人がとっても大好きな気持ちと
そこの境で許す、許されないが決められるっていうのも何だか変な気がしてしまいます。
私が男女や年齢、そういうのにこだわらず人として関わりたいと思う理由は
その奇跡とも言える確率の出逢いを大事にしたいからこそです。
昔は人並みに燃える様な想いをしたこともありますが（笑）
今はそれより、その先の人間愛を大切にしたい気持ちです＾＾


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タグ：百人一首 臨書

コメント 10

おはようございます。
海月さん、このところ心身が
弾んでおられるように感じられますが・・・。
臨書/百人一首も順調に進んでいますし、
　なによりも、毎回ブログに託して綴る「思い想い念い」の丈が、
ますます清明感に満ちており、
私などいつも、心が騒ぎ、動かされっぱなしです。
やはり行きつくところは、人間愛でしょうか

　さて、教室の先生は、和服姿の恰幅のよい女性でしたので、
ちょっと驚かせようと、
　あるとき私が、家内が縫った墨染めの創作作務衣を着て
稽古に行きました。

　山頭火という俳人に魅かれています。
自己愛の権化のように言われてもいます。
　しかし、究極のところでは人間愛に通じる大悲大慈の人だったと思いたいのですが・・

　好きな句の一つ　「うしろすがたのしぐれてゆくか」を
余興に科を作って、教室の皆さんに見せたら拍手喝さいでした。
どんな仕種かはご想像に任せますが、軽薄飄々のそぶりを演じました。

　先生から、ご褒美に「歌がき」と銘打った、
かな向きの筆をいただきました。
いずれは　これで大好きな山頭火の句を書くようにとの
心遣いでした・・

　まさに奇遇？がもたらした大切な筆ですが・・・
　そろそろ、筆おろしをして、教室のカルキュラムとは別に
かなを自習し、憧れの句を書にしてみたいと
思うこの頃です。
　
以前に購入した芸術新聞社刊「墨」特集：山頭火を書く：
を参考にして取り組んでみます
　





by SHOTATU (2010-03-15 10:39) 

海月さん
おはようございます。
百人一首　とても素敵！
私は今　とても落ち込んでいます。ぜんぜん書けない状態（－；－）
多分　自分で思うには基本ができてないからだと思います。書はただ好きなだけではだめなんでしょうか？
好きこそものの・・・・・で頑張ってるんですが・・無理してるのかな～
なんて・・・・・・毎日弾むようにはお稽古できないです。
先日ブログで刺激を受けたのにな　と　思いながら。。
ごめんなさい。ぐちってしまいました。
by 麗 (2010-03-15 13:13) 

★shotatuさん
こんにちは＾＾いつもありがとうございます＾＾

心弾んでいるように見えますか〜＾＾
この春の気候のせいもあったり
そして最近、小さな幸せがちらほらあったりと
そんな出来事たちがそうさせてくれているのかもです＾＾
ほんのささいな事なのですが、
人ってそれだけでも幸せな気持ちになれるんですよね。
このバイオリズムが長続きすればいいのですが…そうもいかないのがまた難しいところでもありますです＾＾；

shotatuさんのお教室は、とても雰囲気の良いところなんだなぁと
お話を伺って想像していました＾＾
作務衣姿のshotatuさんが演じる姿が目に浮かびましたよ＾＾
先生の計らいも粋ですね♪
山頭火は書をやっている方にもファンが多いですよね。
山頭火の歌を作品にしているものもたくさん目にする気がします。
せっかくいただいた先生からのご褒美、
是非作品にして見せて差し上げてくださいね＾＾
きっと先生も喜ばれる事と思います〜＾＾

私も少し、山頭火について勉強してみようと思いました。
きっかけをありがとうございます＾＾


by 海月シド (2010-03-15 18:25) 

★麗さん
こんにちは＾＾コメントありがとうございます〜！

ただ好きなだけ…それだけでも充分ではないですか〜＾＾
その気持ちこそが原動力だと思いますよぉ＾＾
私も自分のためにと毎回UPこそしておりますが
自分の実力のなさに落ち込み、焦り、凹む事がほとんどです（笑）
それでも、筆を持つことが好きで、落ち込んでも他の方の書をみたり
しばらく筆を持たないとたまらなく書きたくなるのです。
それは「ただ好き」だという気持ちからくるものだって思っています。
だから続けていられるし、その中で発見もあったりします。
同じ気持ちはイヤと言うほど感じているので、すんごくわかりますよ＾＾
でも好きなんだもの＾＾最後はそこだけで充分＾＾
共に頑張りましょうね〜♪
by 海月シド (2010-03-15 18:32) 

海月さま　おはようございます

左京太夫道雅の歌
未練がましいと言えばそれまでですが、
切なく苦しい恋の胸中察せられますね

こういう心情の時は、敢えて距離をおいて忘れ去ると言うより
意識を薄れさせるしかないのでは・・などと思ったりします
歌の文句ではないですが、時間を経るしか方法がないような・・

こうならない為には数多くの恋の経験、場数を踏むことから
心の制御ができるようになるしかないのではと思います

恋に限らずギャンブルなどにのめり込んでいる人を見ていますと
いろんな意味での場数、経験が足りないのではと思ったりします
のめり込まないことは、我々の世代では大切なことと、
この歌拝見しながら改めて痛感しました

変なコメントになりスミマセン
by もんざ (2010-03-16 07:19) 

海月さま
ありがとうございます。
とても気持ちが楽になりました。
そうだ～好きなんだから＾＾＾：：
楽しもうと：：：コメント書いてよかった～～～＾＾
感謝！感謝！
おやすみなさいｚｚｚｚｚｚ
by 麗 (2010-03-16 21:30) 

★もんざさん
こんばんは＾＾いつもありがとうございます＾＾

切なく苦しい恋の歌、結構あるのですが
男性が詠った歌が多いのが意外なところでもあったりします＾＾；

もんざさんの仰るように、何事も経験で、
ある程度気持ちをコントロール出来るようになるものなのではと思いますが…
恋愛に関してだけはそういかない事もあるのでしょうか＾＾；
それだけ情熱を傾けられるというのは素晴らしい事ですけれど
のめり込む、まで行ってしまうと
幸せとは縁遠くなってしまうような気もしてしまいます＾＾；

この歌の道雅のお相手は、神に仕える斉宮…
そういう意味で許されない相手だったようです。
ダメだと言われると余計に
のめり込んでしまうっていうのもあるのかもしれませんね〜＾＾；
by 海月シド (2010-03-16 23:10) 

★麗さん
わざわざありがとうございます〜＾＾
気持ちが少しでも楽になったとのこと、良かった〜♪
何事も、真剣に取り組んでるからこその悩みや葛藤なのだと思います＾＾
大いに楽しみ、悩みましょう♪
今日は健やかな眠りとなりますように＾＾
by 海月シド (2010-03-16 23:13) 

こんばんは、海月さん♪

どちらの歌も、その場面や情感がドラマのように浮かぶ歌ですね＾＾
日本語に限ったことではもしかしたらないのかもしれませんが、
季節や時間を言葉に載せたり、気持ちを表わす表現って
時が経ても色褪せない写真のようなものですね！

人が人に惹かれる時、突き詰めるとそこに残るのは「その人と関わりたい」
そんな思いなのでしょうね。男女の区別なく、関わる事で引きうける
感情のうねりも、関わりたいと思うからこそ受け入れる事ができる。
またそうでありたい、そんな風に思う宗流です。
そう思うと、文字と文字とのやり取りではありますが、海月さんとの
出会いも、宗流には奇跡的な確立の賜物です＾＾ｖ

ですが…まだまだ情熱冷めやらずの宗流、時折感情のうねりに
一喜一憂している今日この頃です＾＾；（宗流 VS Honey)

あっと言う間に…今月ももう折り返しですね。
後半戦も、元気に楽しくまいりましょうね～♪
by 宗流 (2010-03-17 02:14) 

★宗流さん
おはようございます♪いつもありがとうございます＾＾

ドラマの様に浮かぶ歌…まさしくそんな感じですよね。
日本は特に、四季の美しさが際だっている国なので
そういう情景を詠ったものの表現力は半端じゃないって感じがします＾＾
最近は何でも一過性のものが多いですが、
長い年月を経ても色褪せないものの素晴らしさを再認識させられる気がします。

宗流さんも、いつも表現力豊かでらっしゃるので、
私が言いたかった事を素晴らしく代弁してくださる感じがしています（笑）
突き詰めて考えれば本当に、その人と関わりたい、その気持ちが根底にありますよね。
全ての人間関係はそこから始まっていると思ったりもします。
関わるという事は、受け入れるという事でもありますものね。
どこまで受け入れられるかで、関わりの深さも変わってくるのかもしれません。
ホント、宗流さんとの出逢いも奇跡の一つですよね♪
あの時宗流さんのブログと出逢う事が出来て、私はラッキーでした＾＾

感情のうねりは、人である事の証のような気もしますよ＾＾
だから色々複雑で難しくてややこしくなったりもするんですけれど
そここそが人間らしさなのかな〜とも＾＾；
ハニーに対して一喜一憂出来るのも、それだけの関わりであるが故ですものね＾＾
基本、私も喜怒哀楽激しいのが好きな方です（笑）
その方がとっても人間くさいですものね＾＾

今月ももう半ばなのですね〜。
時間を大切にしなければと思いつつ、時の流れの速さに戸惑っている私です＾＾；
宗流さんもお忙しいと思いますが、ご自愛しつつ頑張ってくださいね＾＾


by 海月シド (2010-03-18 05:00)