創作への道 [臨書/百人一首]
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【百人一首-91/左】
きりぎりす 鳴くや霜夜のさむしろに
衣片敷き ひとりかも寝む
後京極摂政前太政大臣
【本文訳】
き利ゝゝす 鳴く耶志毛よの寒しろに
衣か堂し支 日と利可も年無
【内容訳】
こおろぎが鳴いている。
霜の降る寒い夜のむしろの上に衣の片袖を自分で敷いて、
ただ独り(さびしく)寝る事になるのだろうか。
【百人一首-92/中】
わが袖は 潮干に見えぬ沖の石の
人こそ知らね 乾くまもなし
二条院讃岐
【本文訳】
わ可袖者 潮干二見盈ぬ沖のいしの
人こ楚し良年 可王くまも奈し
【内容訳】
私の袖は、引き潮の時でさえ海中に隠れて見えない沖の石のようだ。
あの人は知らないだろうが、涙に濡れて乾く間もないのです。
【百人一首-93/右】
世の中は 常にもがもな渚こぐ
あまの小舟の 綱手かなしも
鎌倉右大臣
【本文訳】
よの中八 つね尓も可も那奈支さこ久
阿ま農小舟の 綱手か奈し母
【内容訳】
世の中の様子が、こんな風に永遠に変わらずあってほしいものだなぁ。
波打ち際を漕いでゆく漁師の小舟の、引き綱を引いてゆくようなごく普通の情景は、
しみじみと心に沁みることであるよ。
残り10首となった百人一首。
今年の残すところもあとわずか。間に合うように急いでUPしていきます^^;
今回も2首が恋の歌で一首が情景を詠った歌です。
91の歌は一人寝の寂しさを詠った歌で、きりぎりすは今で言うこおろぎの事。
昔、恋人同士が寝る時にはお互いの袖を敷きあって寝たのだそうです^^*
それをこの歌では自分の袖を敷いて寝る(片敷き)…つまり一人寝のことを言っているわけですね^^;
そんな寒々とした時に聞こえるこおろぎの声…切なすぎます(笑)
92の袖を濡らす…これは昔の歌によく出てくる表現ですね。
今までも何度か出てきたように記憶しています。
海の中にある石に例えるというのは面白い発想ですけどね^^;
93の、変わらないで欲しいと思う風景って今もありますね。
それは珍しい特別なものじゃなくて、普段目にする当たり前の光景だったりするのかもしれません。
色んな事が複雑に、そして足早に変化する時代。
だからこそ余計に何でもないいつもそこにある風景がとても愛おしく感じたりするのでしょう。
…というわけで、ちょこっと急ぎめに解説しちゃいましたが^^;
そう言えば、先日の日記に書いた、見に行った展覧会で
百人一首を書かれている作品があったのを思い出しました。
紙の大きさは忘れましたが、半切か全紙くらいの大きさだったかな〜。
100首びっしり書かれていたんです^^;
100首書くのに(しかも臨書で)2年越しの私なのに(笑)
作品1枚に100首全部とは!^^;
一体どれだけ練習して仕上げたのだろう…
今こうして臨書を書きあげようとしているだけに、何となく人ごとに思えなくて(笑)
あんな風に作品にするのもアリなんだな〜って思いながら帰ってきたのでした。
今年臨書を書き上げた暁には、来年はまた1に戻って
今度は創作に挑戦しようかと思っているわたし。
かなり無謀な挑戦ではありますが^^;
仮名は独学なので、自分で何とか一歩ずつ歩いていくしかありません。
臨書で2年だったから…創作にしたら何年かかることやら〜^^;
でも、いつか自分で100首を自作して、何か作品として残せるものを仕上げられたらいいな^^
…やることがありすぎてどうしよ〜って感じですが(笑)
とにかく、まずは残りの分を片付けましょうか^^
最後までお付き合いいただけたら嬉しいです^^*
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人生長いんだしコツコツと一歩ずつ先に進むしかないですよね!
一枚の紙に百人一首を全て書くのは本当に大変そうですけど、よほど長い事鍛錬しているお年寄りのような気がします。
本当に書道は長い事出来る趣味だなって思いました
by つるぎ (2010-12-15 10:09)
★つるぎさん
人生長…くもないかな〜と思うこの頃(笑)
だって、ホントに毎日早いんですもの〜^^;
長い長いなんて思っていると、ホントにあっという間かもですよ〜^^;
でも、すっとばして先へは行けないから、やっぱりコツコツやるしかないんですけどね。
1枚の紙に100首って結構圧巻でした。
確かに若い人の作品って感じではなかったのかもしれませんね。
根気のいる作品だと思いました。
年をとってもそんな根気をもって作品作れたら良いですよね。
by 海月シド (2010-12-16 00:22)
こんにちは^^
書はほんとに奥が深そうで
海月さんからお話を伺っているだけでもワクワクします♪
海月さん、がんばってらっしゃいますね~!
百人一首もあと少しなんですね^^
来年はきり良く、新しい創作への道へと駒を進めていけそうですね!
具体的な道が見えてそれに向かって進めるというのは
とてもありがたいことですよね~!
海月さんならぜったい目標に到達できると思います!!!^0^
がんばれ~~です^^
おぉ~!そして、また表彰台に立てるとのこと!
おめでとうございます♪
書をはじめられてからずっと続けてですね。
やっぱり何か持ってるんですね、海月さんは^^
by suiren (2010-12-16 09:38)
百首を完成させてから見る一首一首が、また楽しい時間になるように思われます。
その一首一首の筆さばきに、何を思うのでしょうか?
その時に書いた一首は、もう書けないのかもしれませんね。
積み上げた心の模様が写し出される百首を私も拝見できたらと思います。
百首を書きあげる、その道にも拍手。
by 風光 (2010-12-16 10:16)
★suirenさん
ついつい話し出すととまらなくなってしまいますが〜(笑)
いつもそんな話にお付き合いいただいて感謝しています^^*
何にしてもそうなのかもしれませんが、突き詰めていくと奥の深いものばかりですね。
時々底の見えない深さに足がすくんでしまいそうですが^^;あは
百人一首の臨書も、ようやっと今年終わらせる事が出来そうです^^
…といってもこれもほんの途中経過に過ぎないのですが〜…^^;
最終的に自分で創作できなければ意味がないので…少しずつでもそういう機会を増やしていきたいと思っています。
仮名の場合は誰に教えてもらっているわけでもないので…ちと不安なのですけどね〜^^;
普段のお稽古の中でも創作への意識をしながら来年は進めて行きたいです^^
とにかく出来る事をやるだけ!ですね^^*
わ〜、ありがとうございます^^
…とりあえず、多分、最低限の入選は出来たみたいなのでホッとしてます^^;
何とか初回から式への参加はさせていただけているので、落選だけは避けたい所でした(笑)
1個でもひっかかってくれて良かったです^^;汗
今回はプレッシャーなしで楽しんで来ます^^v
by 海月シド (2010-12-16 17:27)
★風光さん
そうですね〜、この百人一首の臨書を始めた時から
私をとりまく環境も随分変わりました^^;
年数的には2年くらいのものですが…色んな事が変わっています。
ひとつひとつを書いているうちに、そんな状況も変化していたのだなぁ〜と
そんなことを思うと、しみじみしてしまいます。
その時に書いた作品は同じようにもう二度と書けないし、その時の私にも戻れません。
そんな時の流れを常に意識して、残りも丁寧に書いていきたいものです^^
来年はまた新たな自分へのスタート。
作品にも映し出される心の修行もしていかなければと思います。
いつもありがとうございます^^
by 海月シド (2010-12-16 17:41)